先日浮舟会員にチケットを頂いて、妻と2人で骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」を久しぶりに見せていただきました。 このミュージカルは、皆さんもご存じのように「知ってください。あなたの力で助かる命があることを。」と骨髄移植のドナー登録を呼びかけるキャンペーンミュージカルです。 日本において骨髄移植のドナー登録事業即ち「骨髄バンク事業」が始まったのは1992年からです。当時は治らぬ病とさえ言われた白血病が、今では骨髄移植のおかげで命を救われた患者さんがたくさんいます。白血球の型であるHLAには様々な組み合わせがあるため、適合するドナーを見つけるには30万人のドナー登録が必要であると言われていますが、ドナー登録が始まってから20年を迎えた昨年の12月に登録者数が初めて40万人を越えました。それでも、日本で骨髄移植や末梢血幹細胞移植を必要とする患者さんは毎年少なくとも2000人程いるそうですが、平成23年に登録された国内患者2,168人のうち、約95%の人は一人以上のドナー候補者が見つかっているものの、移植を受けることができた患者は55.7%の1,207人にとどまっているそうです。つまりは、ドナー登録をしていても、いざとなると移植に同意しない方も多いというのが現実です。このため40万人登録でもまだ足りないということで、骨髄移植呼びかけのキャンペーンはこれからもまだ必要になります。 ところで、このミュージカルに話を戻しますと、初演は1994年でそれから今年で19年、私が見た初日の舞台が第121回目ですから、超ロングランのミュージカルです。方や1992年にドナー登録が始まったことを考えると、このミュージカルはドナー登録と共に歩んで来て、このミュージカルの呼びかけによってもドナー登録者が増えたのではないかと思います。 私はこの舞台を見て、少し前までは高校生であった子どもたちが、惜しみなく汗をかき、練習を積み重ね、修練を積んだ結果、短期間でこのように立派に舞台を勤めあげられるまでになり、「知ってください。あなたの力で助かる命があることを」と声をそろえて骨髄移植のドナー登録を篤く呼びかける姿を見て、歳とって感動することが少なくなった私でも感動しました。私だけでなくNHKホールの観客、出演者、裏方の皆さんが、同じ感動を共有していたことは間違いない事実だと思います。その中でも、若者達をこのように育て上げる仕事に携わっておられる浮舟さんが、「たまらんわ」と一番感動していたのではないでしょうか。 私は会長インフォメーションにおいて、若者達を蝕んでいる虐待や若者達の心の発達に悪い影響を与えているITの害など、若者達が直面している負の側面について紹介しておりますが、健全に育っている若者達の姿を見ると心底ホッとします。宇野前会長が先の例会で言われていた、東日本大震災の災害募金箱を前に、大人たちが無関心で通り過ぎていくのに比べ、多くの少年少女たちが少ない小遣いの中から募金をしてくれたのを見て、日本の若者達は捨てたものではないという感想を持ち、日本の将来をこの子らに託す希望を持ったと報告されましたが、まさに同感です。阪神淡路大震災や東日本大震災のとき、多くの若者達がボ゙ランティアとして現地に赴き、困っている人々に援助の手を差し伸べたことも然りです。このミュージカルは改めて私に健全な若者達のすばらしさを実感させてくれました。 最後に、私はドナー登録可能な55歳をチョットだけ過ぎておりますので、募金だけの協力にしましたが、アンケート箱に入れようとしていたのを、米山奨学生の黄君を連れて来られていた佐藤会員から箱が違うと正されたのはご愛敬でした。
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